研究は何回やったら終わり?

中野ラボ

小・中・高校の先生や教育に興味を持たれている大人の方々とお話しますと、

研究(実験)は何回で終わりますか?

とよく尋ねられます。

はじめは

いしだ先生
いしだ先生

んっ!?

と思っていました。でも、多くの方々からも何回も同じことを聞かれるので、これは一般社会では普通の質問みたいです。

いしだ先生
いしだ先生

それではみなさんに質問です

研究(実験)は何回で終わりますか?

と尋ねられましたら、どう答えますか?

私なら、

いしだ先生
いしだ先生

終わるまで何回でもやります!

と笑顔で答えます。

研究は未知の事象を明らかにすることです。未知なので「何回で終わる」という答えはありません。

未知なので、実験方法から考え、出てきた結果を評価し、そこから実験方法を改善したり、実験の繰り返し数を変えたりします。

そして、実験結果の再現性がとれるようになってから初めて考察に入ります。

仮説は?

と聞かれるかも知れませんね。小・中・高校の授業でも、大学の研究室でもよく聞かれます。

でも、本物の研究ではそれさえも未知です。仮説さえ立てられません。

本物の研究は、「何だかわからないけれども再現性良くこの現象が起きる」がスタートとなります。

「え゛〜っ」という声が聴こえてきそうですね。でも、本当のお話です。

禅問答のようですが、よく分からないことを一生懸命考え、実験するのが研究です。時間も回数も決められません。

決めるのは自身が出した実験結果からのみです。

このような状態が続くのが本物の研究です。そして、このはっきりしない世界を模索しながら生きるからこそ、人は格段に成長します。

これ、私は偉そうに言っていますが、すべては今から30年前の私が大学院時代に教授から教わったことです。当時は、先生が言っている意味が分かりませんでしたが、今は「研究の真髄を授かった」と思っています。

サイエンスマスター・中野ラボでは、研究の世界で実際におきていることを包み隠さずお見せします。実験だけでなく、研究の考え方もぜひ学んでくださいね。


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