こんにちは、石田先生です
現役の研究者時代は、DNAを扱う分子生物学分野を研究していました
今回は、「生き物からDNAを抽出してみよう」のイベントの講師を担当しました
DNAの説明
最近は情報入手の方法が多様になりましたね。本だけでなく、テレビ、インターネットの記事、YouTubeの動画から得られます。
今回参加された小学生から高校生のみなさんは、「DNA」の名前を知っていました。中にはDNAには遺伝情報を含んでいると具体的な意味を解説された子もいらっしゃいました。
あまりの知識の豊富さに私も驚かされました
みなさんが知らない部分もありましたので、少し補足しました
実験前の注意
今回のDNAの抽出実験は、サイエンスマスター・中野ラボでは初めての本格的な実験でした。机の上に準備した乳鉢(すり鉢のようなもの)、乳棒(すり潰すための棒)、プラスチック製のチューブ、DNA抽出溶液、卓上遠心機に、参加者のみなさんも興味津々でした。
本物の器具と接する機会です。みなさんの逸る気持ちを抑えながら、私はプロの研究者がやることと同じことお話しました。
いちばん重要なことは、事故を起こさないことです
プロの世界では「実験をする」より前に「事故を起こさない」が優先します。そのため、大学・研究所の研究室で行われているのと同じように、心がけと危険な状況を説明し、事故が起きた場合の対策をお話しました。
DNAの抽出
今回、ブロッコリーあるいはカリフラワーからDNAを抽出しました。DNA
抽出キットは、株式会社リーゾ社製のDNAすいすいfor Kids(Amazonで購入できます。)を使用しました。
生き物と道具があれば、DNAが予定通り抽出できると思いますよね。でも、実際は違います。
数々失敗してきた私の経験から、DNAの抽出は一番はじめの乳鉢で潰すところが鍵となっています。
そこで、最初に、生き物の潰し方を解説しました
- ハサミで、ブロッコリーの花芽を乳鉢に切り落とす。
- 乳棒で軽く潰し、じょじょに力を入れます(急に強い力を入れると、乳鉢・乳棒の破損する可能性があるため)。
- 操作する人が慣れた段階で、抽出液を少し入れる。
- 乳棒を回しながら、さらに潰す。
- 以下繰り返し。
最終的に、子供たちいわく、青汁のような液体になります。あとは、みなさん協力して、説明書のとおりに操作ししました。
期待通りDNAを見ることができました
感想発表
最後は参加されたみなさんから発表をしていただきました。
DNAを初めて見た
すり潰した上澄みには見えなかったのに、エタノールの中では見えるのが不思議(これをエタノール沈殿といいます。)
という感想から、
最後の無水エタノール・遠心後の上澄みを激しく混ぜるとDNAが見づらくなる(物理的が切れた結果)のが不思議だった
切れたDNAの場所は分析できる?(ランダムに集まったDNAが物理的に切れているので、実際は解析できません。)
など、面白い指摘もありました。
今回は、お忙しい中、サイエンスマスター・中野ラボのイベント「生き物からDNAを抽出してみよう」に参加いただき、ありがとうございました。
「生き物からDNAを抽出」は、研究の中のたくさんのステップの中の1つです。本当の研究は、結果の分からないことの繰り返し確認です。正直にいいますと、あまり面白くありません。
しかし、このつまらないことの繰り返し、積み重ねの向こうに「ドキドキ・ワクワク」を超える燃えるような喜びが待っています。もし、ご興味がございましたら、株式会社サイエンスマスターで、ぜひ、いっしょに研究してくださいね。
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