小学校の理科の授業では基礎を学びます。習ったことは覚えますね。
暗記は最初のステップです
では、暗記したことの次には何があるのでしょうか?
サイエンスマスターでは、覚えたことの意味、これから学ぶこと、そして、科学のさらなる広がりを知るためのプログラムです。
2023年4月22日(土)のサイエンスマスター・中野ラボ無料体験塾では、
- 春の植物の戦略
- 植物の名前のつけ方
にポイントをおきました。
植物の戦略
新葉の色
冬の間に葉を落とす樹木は、代わりに、春に向けて花芽と葉芽を準備しています。春に咲く桜のソメイヨシノを観察しますと、最初に花が咲き、次に葉が出てきます。
完成された葉は濃い緑色をして厚いです。十分に光を吸収でき、光合成によって木を支える栄養を作り出しますね。
では、先ほどの新芽ではどうでしょうか?
新葉の中のさまざまな装置は完成していません。
例えば、太陽の光には紫外線が含まれています。強い紫外線は殺菌作用があります。生き物の設計図であるDNAを切る効果があるためです。
新葉が、この紫外線を無防備で受けてしまいますと、殺菌とおなじことが起きてしまいます。
公園に出かけてみました。常緑樹の新葉を観察してみますと、完成された葉とは違う色になっているのが分かりました。
色をつけて紫外線が通らないようにすることにより、新葉の中の装置が適切に発達させていることを学びました。
ツツジの花の模様
公園ではツツジも植えられています。満開でした。
近づいて花を見てみましょう
何か気づいたことはありますか?
花の中心に模様があるような・・・?
はい、この模様のことを蜜標といいます
ミツバチのような昆虫(訪花昆虫といいます)は、この蜜標をもとに花の中心に導かれると考えられています。
ということは・・・
花粉や蜜を集めるとき、ハチの体に触れて受粉ができるようになる?
そうです
私たちは花を遠くから眺め、花の美しさを楽しんでいます。でも、近くで見ますと、花は蜜標を見せて、虫はそれに導かれて行動をしていることが分かります。
植物の名前のつけ方
ナンジャモンジャという木の名前を聞いたことはありますでしょうか?
実は、「ナンジャモンジャ」とよばれる木は、ヒトツバタゴ、ニレ、イヌザクラなどを指すことがあります
そう、「ナンジャモンジャ」という名前と木の種類は1:1の関係ではないのです
これでは困ってしまいますね。人に伝えるとき、さらに進んで科学者同士とお話をするとき、情報は伝わらないことになります。
このような問題がおきないようにするために、「名前」というのはとても大切で、標準和名(和名)や学名と木の種類は1:1になるようにしています。
中野ラボに戻り、今日、目で見たことの復習と、ヒコサンヒメシャラを例にして、学名のお話を補足しました。
和名:ヒコサンヒメシャラ
学名:Stewartia serrata Maxim. 属名+種小名+命名者
今日は、小学校の理科で習うところから始まり、それらの知識の少し外側の植物の新葉の戦略を観察しました。
そして、学んだところを誰かに正しく伝えるためには、名前が大切です。1つの種に対して1つの名前のつけ方を学びました。
参加された生徒さん、今日はおつかれさまでした
今日学んだこと、小学校の理科の範囲だけでしょうか?
違いますよね
難しい言葉を簡単な言葉に置き換えてみてください
普段のお友達同士の関係、学び、生活などいろいろな場所で使えます
サイエンスマスターは科学だけでなく、科学をする人の成長につながる学びを提供するプログラムです。
あなたも、ぜひ参加してくださいね
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